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阪神・淡路大震災から20年 ~あの時地図の現場は

[スタッフの窓]  2015年1月16日

2015年1月17日、阪神・淡路大震災から20年目を迎えます。
Yahoo!地図やYahoo!カーナビを作るヤフー「マップイノベーションセンター」。その拠点のひとつである名古屋には、道路地図「アトラスRDシリーズ」を作っていた旧アルプス社の社員が多く在籍しています。 「アトラスRD近畿」の制作に携わっていたスタッフに、震災当時のお話を聞きました。


当時のお話を聞いた東さん(写真左)と長谷川さん(写真右)

新版の発売を直前にひかえて

毎年2月は、道路地図の最新版が発売される時期です。 阪神・淡路大震災が起きた1995年1月、旧アルプス社では「アトラスRD近畿」の新版発売を目前にひかえ、在庫調整や印刷の準備が行われていました。

震災で地図の現場に何が起きたのか

「震災直後、アトラスRD近畿の在庫があっという間に売り切れてしまった」と語るのは、当時東海版の編集をしていた東さん。通常であれば、すぐにでも最新版を発売したい状況ですが、震災の被害状況を新版に盛り込むかどうか、社内で話し合いがおこなわれました。

巻末に差し込まれた「阪神大震災 交通状況マップ」
既に地図面の修正は完了し印刷を待つばかりの状況のなか、発売を遅らせずに被害の状況を伝えるため、見開きの「交通状況マップ」を巻末に差し込むことが決まりました。


アトラスRD近畿と95年版の巻末に差し込まれた交通状況マップ


交通状況マップ拡大。赤い部分が被害のあった箇所。高速道路や鉄道が甚大な被害を受けていたことがわかります。

平衡感覚を失いそうだった

当時「アトラスRD近畿」を担当していた長谷川さんと、兵庫県が地元の東さんが調査のため神戸を訪れたのは2月上旬。震災直後の神戸ではホテルに泊まれるはずもなく、ふたりは東さんの親戚宅に宿泊したそうです。
改訂の時に調査で訪れる神戸市役所は倒壊しており、傾いた多くの建物の中を歩くうちに「平衡感覚を失いそうだった」と語る東さん。ふたりのお話を聞くにつれ、当時の被害の大きさを思い知らされます。

その後の地図への被害状況の反映

翌年に新版が発売されるまでのあいだにも、何度か修正版が発売されます。版を重ねるに連れ、地図には震災の被害状況が刻一刻と記載されていきました。
翌年に発売された1996年版では、巻末の「交通状況マップ」はなくなり、かわりに主題となる地図面に被害状況が記載されていきます。
当時の地図の記載を、編集した長谷川さんにお聞きしました。一部を抜粋してご紹介しましょう。

仮駅舎で営業を続けた阪急伊丹駅(画像をクリックすると現在のYahoo!地図が開きます)


復旧予定や開通日の記載されたハーバーハイウェイや阪神高速道路(画像をクリックすると現在のYahoo!地図が開きます)



改築中や建替えの様子がわかる三宮周辺(画像をクリックする現在のとYahoo!地図が開きます)



今も引き継がれる地図への思い

「不通区間などを地図に表現したのは阪神・淡路大震災の時が初めてだったかもしれない。」と東さんは語ります。「Yahoo!地図」では、事故・災害による通行止めや運休区間を地図に反映しています。被災の状況をいち早く届けたいと行動した地図編集者たちの思いは、20年たった今も「Yahoo!地図」に引き継がれているのではないでしょうか。
(文:片川)

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